隣の席の魔法使い。





「…………優香ちゃん。大丈夫だよ」


「へ?」


「青葉くん。嘘ついてるから」



穂乃果ちゃんの言葉に驚きガバッと顔を勢いよく上げるといつものように可愛らしい笑顔を浮かべている穂乃果ちゃんと目が合った。



嘘をついている?

どういうこと?



言葉が出る前に目で穂乃果ちゃんに訴える。


そんな私を見て穂乃果ちゃんはますます笑みを深めて言った。



「穂乃果の魔法は全部知っているもん。青葉くんの気持ちも、もちろん今の優香ちゃんの気持ちも」


「え、でも、嘘って……」


「さぁ?そこまではさすがに穂乃果でも知らない」



答えを求めるように見つめる私に対して穂乃果ちゃんは「はい、慰めタイム終了ー」と言って椅子から立った。



「明日も早いし穂乃果はもう寝るね。優香ちゃんも早めに寝ることをオススメするよ」



そして右手をヒラヒラと私に振って部屋に帰って行った。






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