隣の席の魔法使い。
彼の秘密。





side優香




「うっ」



眩しい朝日が寝不足の私を襲い、私は目を細めた。


寝不足でさえなければ〝襲う〟と言う表現ではなく、〝心地いい〟と言う表現が適切だと思ういい天気の中。



合宿2日目、朝6時半から食事前に軽くみんなで行く散歩が始まっていた。



考えすぎてあまり眠れなかった私にはキツいイベントである。


もっと寝たかった……。




小さな愚痴を心の中でこぼしながらおぼつかない足を何とか前に出してただただ歩く。


とにかく遅れないように一生懸命足を動かすのみ。



が。



フラッ



「……っ」




一生懸命歩いているつもりでも思った以上に体がなかなかついていけず、足が絡まって転けそうになる。



このままでは転けてしまう!








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