隣の席の魔法使い。
ガシッ
転けることを予期していた私の右腕を後ろから誰かが咄嗟に掴んでくれたおかけで私は間一髪転けることから免れることができた。
「あ、ありがとう」
助けてくれた恩人に感謝を伝えようと後ろを振り向く。
すると……
「…………しっかり歩け、危なっかしい」
そこにはいつにも増して無愛想な青葉くんが立っていた。
助けてくれたのまさかの青葉くん!!!
今一番会いたくない人NO.1!!
寝不足の原因!!
「ご、ごめん」
何故いつも以上に無愛想なのか。この態度は一体なんなのか。
訳がわからないが迷惑をかけていることには違いないので青葉くんに申し訳なさそうに頭を下げる。
ドクンッドクンッ
青葉くんが掴んでいる右腕からどんどん体温は上昇し、心臓をうるさくさせる。
大好きだ。
腕を掴んでいるのが青葉くんだと認識しただけて心臓が一気に加速した。