隣の席の魔法使い。






side俊哉



俺の手を西島が泣きながら振り払う。


そして俺に背を向けて走り出した。



「おい!」



その手を掴んでしまいたい。


俺から西島が逃げないように。


そんな衝動にかられて俺は咄嗟に必死に手を伸ばしたが西島がその手に触れることはなかった。



俺の手が空を切る。



泣かせてしまった。


悪いのは俺だ。わかっている。



本当は今日だってなるべく自分からは西島に近づかないようにして西島に落ち着いてもらおうと思っていた。

でも自然に視線は西島を追っているし、気がつけば西島を助けているし……。



全て俺が悪いのに西島は優しいからあの表情はまるで自分が悪いのだと攻めているようだった。







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