隣の席の魔法使い。
「.......幸せになってもらいたいんじゃない。俺が、幸せにしたい!」
こんなこと、わがままだってわかってる。
わかっていても止まらない。
「例え拓真でも譲れねぇよ!」
また俺の声に生気が宿る。
「じゃあ、行ってこいよ、俊哉」
そんな俺を見て拓真は嬉しそうに笑った。
俺じゃあ、きっと西島を幸せにする所かいつか必ず辛い想いをさせてしまう日が来てしまう。
この気持ちに気づいた時からそれだけはダメだとずっと蓋をしてきたこの想い。
だけどこの想いに蓋をすることなんてできない。
それを拓真が教えてくれた。
弱い俺でごめん。
たくさん辛い思いをさせてごめん。
こんなわがままな俺を一生恨んでくれ。
「ありがとう、拓真」
俺は俊哉にお礼を行って西島が走って行った方へ西島と同じように走り出した。