隣の席の魔法使い。




「もちろん、他でもない穂乃果ちゃんの誘いを断る訳ないでしょ?」



そんな穂乃果ちゃんに臆することなく1番に答えたのはなんと岡崎くん。


岡崎くんのことだから他の女の子と行くと勝手に思ってたから早い返事に私は驚いていた。



「俺は体のこともあるし今回は……」



岡崎くんの返事を聞いて次は自分の番だと口を次に開いたのは青葉くん。


この流れ的に穂乃果ちゃんの圧なんて関係なしに〝NO〟の返事をするのだろう。


だけどそれは無理もない話で。

こんなにいつも通り過ごしている青葉くんだけど青葉くん本人は実際はいつも通りではない。

いつ発作が起きていつ命を落としてもおかしくない状況なのだ。

だから青葉くんは今、こうして入院している。


……本当は一緒に行きたいけど仕方ないよね。



「そのことなら大丈夫よ。ね、岡崎くん?」


「そうだね、穂乃果ちゃん」



穂乃果ちゃんの誘いを断ろうとした青葉くんの言葉を穂乃果ちゃんと岡崎くんの言葉が遮る。


二人とも何故か嬉しそうにニコニコしている。



「最近俊哉調子いいだろ?だから数時間ならってもう許可は得てるんだ」


「え?」



岡崎くんの言葉に青葉くんが首を傾げる。


そして、



「何だよ、ったく、ありがとう」



と言葉の意味をすぐに理解して嬉しそうに笑っていた。



「わ、私も!私も行くよ!」



もちろん私の返事も〝イエス〟なので右手を上げて笑顔でみんなに伝えた。


やったー!青葉くんと祭りに行ける!






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