隣の席の魔法使い。










「あ、西島さん……。もしかして……」





「うん、私が治すよ」







私に声をかけられてすぐに私が何をするのか察したようなのでそんな体育委員の生徒ににっこりと笑う。







さて、いっちょ、やってやりすか。







「西島さん、お願いします」






一度座らされた湯川さんが不安そうに私を見つめる。







大丈夫だよ、すぐに痛みはなくなるから。







優しく腫れている湯川さんの右足首に右手で触れる。







治って。











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