隣の席の魔法使い。





*****



4人揃ったので人がごった返してる神社内に入る。

さすがにこの人口密度では4人並んで歩くのは無理なので、自然と前が俺と西島、後ろが拓真と飯塚に分かれて歩いていた。



「わぁーすごい……」



道を挟むように両サイドにはたくさんの屋台が並んでいる。


俺の隣を歩く西島はそんな屋台を目を輝かせキョロキョロと忙しなく見ていた。



祭りも西島にとって初めてのことなのだろうか。



どうせ死ぬならと今まで自由であることを選んできたが西島が好きだと自覚してからは俺の世界は全て西島に支配されていた。

西島を幸せにしたい。

魔法使いだった故にできたかったこと全て俺が叶えてやりたい。



「焼きそば……りんご飴……」



屋台を一つ一つ物色している西島を見つめ続ける。


すると。



「っ!おい!」


グイッ



前を見ていなかった西島が前から来た人にぶつかりそうになったので俺は慌てて西島の腕を引いてそれをギリギリで回避した。




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