隣の席の魔法使い。
「……っ!」
心臓発作だ。
そう思った瞬間には私は力なく青葉くんに倒れていた。
「西島!」
そんな私を受け止めて青葉くんはすぐに自分がいたベッドに私を寝かせる。
苦しい、辛い。生きていることが辛い。
今まで感じたことのない痛みをどのように表現すればいいのかわからない。
だけど先程までこんな痛みが青葉くんを襲っていたのだと思うとゾッとする。
生きてることがただただ辛い。
「あ、あお、ば、く、ん」
喋ることだって辛い。
だけど伝えなきゃ。
「わ、わら、て」
最期に見る顔が泣いている青葉くんだなんて嫌だよ。
「くっ、クソっ、無茶言うなっ!」
ボロボロに泣いていた青葉くんだったが、私の願いを叶えようと必死に涙を我慢して辛そうな笑顔を浮かべる。
見たかった笑顔と違うけどこんな状況で幸せそうな笑顔を見せろという方が無理な話だろう。
「あ、あ、りが、と」
さぁ、最期の力を振り絞って。
「あい、し、てる」
精一杯で青葉くんに私の想いを伝えると青葉くんは私の望む笑顔を私に向けてこう言った。
「俺も愛してる」