隣の席の魔法使い。





ねぇ。

青葉くんはきっと私の人生は不幸なものだったと嘆き続けるのでしょ?

誰かの為に傷つき続けて最期には死んでしまうから。


だけどそれは違うよ。

魔法で確かに私という人間は最期に死んでしまうけれど、たくさんの人の笑顔を見られたこと、救えたこと、このことがどれだけ私に幸せを与え、救ってきたか。


自分をこれからも責め続ける優しい青葉くんに私は最期の魔法をかけることにした。


「い、き、……て」


この言葉を最期に私は意識を手放した。


この魔法でもう青葉くんは死ぬことができないでしょ?

これは魔法によく似た青葉くんにとっては呪いだったかもしれないけど。


どうかこの先の青葉くんの人生が幸せで満ち溢れていますように。







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