隣の席の魔法使い。





*****



あれから数日。


西島に病気を魔法で治された俺は医者も驚くほどの健康体となり、もちろん病気は完治していた。

もう俺には迫り来る寿命などない。


それでもこんな結末なんて俺は望んでいなかったのに。



「あのバカ、やっぱり魔法を使ったのね」


「……」



西島の葬式が終わってぼーっと火葬場を見つめていると普段はあまり見せない真面目な顔で飯塚が俺に声をかけたきた。


飯塚の物言いだと飯塚は西島が俺に魔法を使うと分かっていたのだろう。



「……何か知ってるのか」


「知ってるも何も頼まれたのよ。こうなった時はよろしくって」



俺の質問に少し辛そうに飯塚が笑う。


そして「まさか本当にやるとわねぇ」と目に涙を浮かべながらほんの少し前、時間で言うと夏合宿の後にあったことを俺に話し始めた。







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