隣の席の魔法使い。
side穂乃果
夏合宿後、いろいろあったけどやっぱり両思い、ハッピーエンド。
とはあの2人はならず。
青葉くんが隠していた病気発覚によってますます2人の未来は暗いものとなっていた。
やっと結ばれたと思っていたのにこんなにも短い幸せだとかあんまりだ。
「ねぇ穂乃果ちゃん」
いつものように青葉くんのお見舞いに行き、その帰り道。
優香ちゃんが突然優しい声で私の名前を呼んだ。
ちなみに今日は優香ちゃんと私、2人で並んで歩いて帰っている。
急に改まってどうしたのだろう。
「何」
優香ちゃんと2人っきり、猫かぶる要素なんて何一つないのでその優しい呼びかけにもかなり素っ気なく私は返す。
「私、もしかしたら魔法使うかもしれない」
「え?」
優香ちゃんの衝撃の発言に思わず声を上げて優香ちゃんの顔を見る。
そこには声と同じように優しい笑みを浮かべた優香ちゃんがいた。