隣の席の魔法使い。
夕日を味方に付けて微笑む優香ちゃんは悔しいくらい綺麗で。
お世辞にも美少女だなんて呼べない見た目なのにそんなこと微塵も感じさせない。
吹っ切れている。
「……そんなことして優香ちゃんが代わりに死んでどうするの。青葉くん余計苦しいと思うけど」
私は優香ちゃんと同じ魔法使いであり、同じ病院で見てもらっているから優香ちゃんの魔法が修復ではなく、転移の魔法だということは知っている。
そして何より1度死にそうになっていた優香ちゃんを見ていた青葉くんの想いも魔法で見ている。
だからとてもじゃないが優香ちゃんの選択は青葉くんにとっての最善とは思えない。
「うん。そうだと思う。けど生きて欲しんだ。これは私のわがまま」
「じゃあ、何でさっき魔法を使う〝かもしれない〟って曖昧な表現したのよ」
すごく強い気持ちは感じられるけど言葉がそうではない。
その違和感に私はすぐに気づいて優香ちゃんに疑問をぶつけた。