隣の席の魔法使い。
隣の席の魔法使い。
side拓真
飯塚から話を聞き、西島の手紙を受け取った俺は今、西島が死んでしまった事実を思い知らされてしまっていた。
もしあの時西島があの場所に居なければ死んでいたのは俺だったのに。
辛くて苦しくて。
もういっそ死んでしまいたい。
けれどこの命は俺のものではないから。
これは西島が俺にくれたものだから。
それに西島は俺に『生きろ』と言ったから。
だから俺はこれからも生きないといけない。
「クソっ」
辛さを噛み締めるように俺から言葉が漏れる。
こんなこと俺は一切望んでなんていなかったのに。
自分の存在自体を恨めしく思いながら飯塚から受け取った手紙を見つめる。
そして数秒それを見つめた後俺はそっと便箋から手紙を出し、手紙を読み始めた。