隣の席の魔法使い。
私は魔法使いだ。
その存在は希少ではあるが、珍しいものではなく、それなりに世間から認知されている。
魔法使いによって使える魔法は様々で、私が使える魔法は治すこと。
人の怪我からものの破損まで治すに関しては不可能はない力だ。
「……」
右手でiPhoneに軽く触れる。
あとは治るように祈るだけ。
ピシッ
ピシピシピシッ
音を立ててゆっくりとiPhoneが治っていく。
「うあ!!西島さん!!ありがとう!!」
「はーい」
治ったiPhoneを見て女の子が本当に嬉しそうに笑ったので私も同じように笑った。