隣の席の魔法使い。
「お前の魔法、修復じゃねぇーだろ」
「……」
手当をしながら青葉くんが口を開く。
ここまで現場を抑えられてしまったら、さすがの私でも上手く誤魔化す言葉が思いつかずそのまま黙り込む。
それは無言の肯定。
「お前の魔法は一見、破損や怪我を治している修復の魔法のように見えるが、実はその本質は違う。破損や怪我を自身に移すことで〝それ〟を修復する転移の魔法だ」
「…………」
冷静に伝えられた言葉はどれも正しく、正確なもので返す言葉が見つからない。
現場を抑えただけでよくここまで考察できたと驚きさえある。