隣の席の魔法使い。









が。





ポロッ






「ああっ!」





ぼーっと考え事をしながら食べようとしたせいでハンバーグが制服の上に見事に落ちてしまった。






ケッケッチャップがびっちょっりぃぃ!!!






ガッツリ制服についてしまったであろうハンバーグの汁とケッチャップに泣きたくなる。






施設に帰るまで染み付き&ハンバーグ臭制服だ……。







「バッカ、お前何やってるんだよ!!」







ショックで固まる私に怒ったように慌てて声をかけてきたのは青葉くん。






青葉くんは急いで手で制服の上からハンバーグを退かすと私の手をそのまま掴む。








「行くぞ」





「えっ、ええ!?」







そしてそのまま青葉くんに無理やり腕を引かれて屋上から出てしまった。







一体、どーいうこと!?








「ほんと、俊哉もわかりやすいよね」





「……っ」







去っていった私たちを可笑しそうに見つめる岡崎くんと目が完全に怒っている穂乃果ちゃんを置いて。












< 73 / 193 >

この作品をシェア

pagetop