隣の席の魔法使い。
あれ?この文脈的に穂乃果ちゃんの名前が出る前に私と行く前提の話になってない?
穂乃果ちゃんの方からとてつもなく痛い視線を感じるので穂乃果ちゃんの方に少し視線を移せばそこにはそれはもう鬼のような形相でこちらを睨んでいる穂乃果ちゃんの姿があった。
『何でそうなるのよー!!!』
と言っていなくてもそう言っている穂乃果ちゃんの心の叫びが丸聞こえだ。
な、何とかしなくては!
「あ、青葉くん、それがね、私今週末急遽予定が入って遊べなくなってね……それでこのチケットをお譲りしようかと……一緒に行く穂乃果ちゃんが1人だと可哀想だから」
しどろもどろだが、何とか穂乃果ちゃんとデートへ行けるように必死で私は言葉を出す。
が。
「じゃあ、今度日にちの合う時に一緒に行くか」
と、青葉くんの華麗なるスルーを食らってしまった。
ど、どうしよー!これ以上は無理です!穂乃果ちゃーん!