隣の席の魔法使い。
ええい!邪魔だ!邪魔だ!
「お願いします!今すぐ退いてください!私は魔法使いです!」
大きな声で私は叫ぶ。
少しでも早く人が道を開けるように。
すると。
「え!?魔法使い!?」
「本当にいるんだ!」
「すごい!」
と言って、その場にいた全員が私の為に道を開けてくれた。
倒れていたのは小学生くらいの男の子。
見た感じ酷い怪我はなさそうだが、頭を打ったのか意識はなく、ついでに出血も頭からだ。
大丈夫、このくらいなら治せる!
「アナタがこの子のお母さんですか?私は修復の魔法使いです。今からこの子を治しますので安心してください」
男の子の隣で泣いていた女の人に軽く声をかけると私は男の子の側で正座した。