隣の席の魔法使い。
side俊哉
西島の様子がおかしい。
ここ最近思っていたことだが、今日はそれを特に強く感じていた。
常に俺を避けようとしている辺り、また目を離した隙に魔法を使おうとしているのではないか。
本人はそのことについてかなり否定していたが、俺からしたら信じ難い話であった。
じゃなかったら他に俺を避ける理由があるか?
ジェットコースターの時だってアイツわざわざ俺を避けるためとはいえ、拓真の腕を掴んでいた。
そしてそれが俺はどうしようもなく腹ただしかった。
「青葉くんはさ、穂乃果のことどう思ってる?」
何故か飯塚とお土産屋に行くことになった俺を飯塚が首を傾げながら見つめる。
「は?西島の友達だろ?」
飯塚の質問に対して思い浮かんだ言葉はこれ。
飯塚は西島の友達。
俺の中での飯塚がただそれだけの存在だった。