恋の仕方が分かりません。
出会い
ー 3年前。
「遥希、今日の夜ヒマ?」
高校を卒業して半年が過ぎた頃。
バイトの休憩中に携帯を開くと珍しく着信が入っていたのですぐに折り返した。
「ヒマだよ〜」
「マジ?じゃあちょっと付き合ってほしいんだけど」
「いいよ」
「19時に駅で待ち合わせしよ」
それは高校時代にいつも話しかけてくれていた波奈(はな)からの突然のお誘いだった。
地元から5駅離れたちょっと都会な街。
改札口を出るとすぐ波奈の姿が見えた。
胸下まであるミルクティーブラウンの髪の毛を綺麗に巻いて、花柄のロング丈ワンピースにショートブーツ。
THE 女の子って感じだ。
私はと言うと…白のTシャツにスキニーパンツ、上からグレーのパーカーを羽織った超ラフスタイル。
オシャレしてくれば良かった。
「あ、」
誰かとの電話を終わらせた波奈がこちらに気付いて手を振るので私も手を振り返した。
「急に呼び出してごめんね」
「全然。むしろ私で良かった?」
「いいよいいよ。もう、あいついつも急なんだよね〜」
あいつって言うのは波奈が通っている保育の短大で同じクラスの男の子。
波奈曰くイケメンらしい。
今日はその人とその人の友だちと4人でご飯を食べに行く事になっている。
所謂、“ 合同コンパ ”というやつだ。
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