溺愛とはなんでしょう?
もう後のことは、後で考えれば良い
俺が未来を全力で守れば良いんだ…。
もし、もし、こんな俺が期待しても良いなら
俺が自意識過剰になって良いなら
俺が婚約することを、未来が少しでも嫌だと感じて涙を流しているとしたら…俺は。
スポットライトがある方へ足を進め、マイクを手に取る。
「忙しい中、沢山の皆様にお集まり頂き誠に恐縮では、ありますが…僕たちは、婚約致しません」
若松百合奈さん?だっけ…本当に、申し訳ない
でも俺には、未来の方が何より大切なんだ。
ざわつく会場を後にして、そのまま会場の外へ急いで向かう。