溺愛とはなんでしょう?
もう、正直に謝ろ…
それしかない!
私は、ゆっくりと足を動かし始めると、ちょっとずつ山北先輩に近づく。
「やま、やま…きた先輩…、遅れて来て、すみませんでした!」
先輩の顔を見るのが怖くて、顔をあげられないまま、ビクビクしながら先輩の反応を待つ。
「俺、まじでやばいな…」
「来てくれたの嬉しすぎて、いま変な顔してるから、そのまま下向いてて…っ」
……え……
怒ってないの?
わたし、30分も待たせちゃったんだよ?
なんだか、一気に拍子抜けしてしまって、自然と顔があがる。
先輩の顔…すっごく赤い。
恥ずかしがるように腕で顔を隠しながら、「かっこわる…」と弱々しい声で呟く
なにこれ…
山北先輩全然イメージと違うじゃんか…、なんだか可愛い……かも。
なぜだが、その姿にドキンと胸が高鳴る