溺愛とはなんでしょう?


「今日の未来、凄く可愛いよ……。本当に。あと、このショーが成功したら伝えたいことがある。迎えに行くから、休憩室にちゃんといろよ?」

耳もとで、聞こえた褒め言葉に私の身体は、熱くなる。

それにしても、伝えたいことってなんだろう……

可愛いと言われた嬉しさと、日華くんが伝えたいことへの不安とが心の中で入り交じる。

「ありがとう、が、頑張るね」


そう答えると、私の身体を抱きしめていた日華くんの手が離れた。


とにかく、集中しよう。
今までの日華くんの努力を無駄にしないように。足を引っ張らないように。


私は、気を引き締めてランウェイがあるステージへと足を進めた。
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