溺愛とはなんでしょう?
勢いよく謝って、なんとなくその場から早く立ち去らなきゃ!と思い後退りした途端、後ろに置いてあったオブジェにぶつかり…私は、足を踏み外して前へ倒れてしまう……
「わっ!!!」
「っ!!!」
これ、顔面からいっちゃうパターンだ……
そう思った瞬間、
黒い帽子の方が、滑り込んで支えてくれる。
「あっ、ぶねー……」
焦って滑り込んで支えてくれた彼の帽子が、そのスピードによって斜めにズレて下から見上げるような形で私は、彼の顔を見た。
嘘でしょ……
幻かな?
私の目の前で一緒に床に倒れ込んでいるのは……
「せん……ぱい」