溺愛とはなんでしょう?


私が、そう呟くと

目が合っていた先輩の瞳が揺れる。


久しぶりに見た先輩は、またまたカッコ良さが増してみえる……


「お、お久しぶりです……あっ、退きますね!すみません!」

私は、まだ先輩に支えられていた身体を起こすと、一目散に立ち上がる。

「久しぶり……」

目を逸らすように、また深く帽子を被り直す先輩の表情は全く見えない。

「あの……有難うございます。助けて下さり……あと……」

花籠も。きっと……先輩だったんだ

ずっと、ずっと。見ててくれたんだね。

「あと…………っ……あ…と」

だんだん今までの花籠のことを思い出すと涙が自然と頬をつたる

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