溺愛とはなんでしょう?

けど、お礼を言わなきゃ……


「あと……花籠、本当に有難うございましたっ……」


その言葉に、先輩の目が驚いたように見開く。

「ずっとずっと、勇気を頂いてました」

先輩は、私から離れると、また目を逸らす

「ごめん、俺じゃないから。じゃあ……行くね」


……嘘つくの下手すぎだよ、先輩……

表情から痛々しく伝わる嘘に。

私もそれ以上何も言えなかった。

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