溺愛とはなんでしょう?
「待ってください!先輩!……先輩は、元気でしたか?」
あれから、できるだけ先輩の噂は聞かないようにしていた。
だって先輩が結婚した話を聞いて素直に祝える自信がなくて……そんな自分が嫌で……情報を閉ざしてた。
きっと、今頃……幸せな家庭を築いてるんだと思う。
もう、私も先輩が幸せなのを確認して前へ進もうと心に決めた。
「元気……だよ。なかなか忙しいけど」
そう言った先輩は、寂しそうに笑う。
どうして。どうして、そんなに
寂しそうな顔するんですか……
私が無意識に先輩の方へ近づこうとした瞬間、後ろから引き止められるように腕を掴まれた。
「未来……なんで、休憩室に居ないわけ?」
「日華くん、あっ……ごめんなさい」