溺愛とはなんでしょう?
令side




約束の時間を過ぎても朝日未来の姿は、一向に現れない。


やっぱり、来るわけないよな…


「はぁ……」


俺は、落胆するように溜息をつく。

すると、香水の匂いを纏ったお姉さんが俺の肩を触る


「ねぇ、わたし凄く美味しいお店知ってるの、一緒に…」


「すみません、大事な人を待ってるんで」


俺は、顔も見ずに冷たく返す。


「えー、さっきから、ずっと1人じゃない!貴方みたいな良い男を待たせる女なんて、女の質が悪いのよ〜」


………。


「俺が待ってる女は、貴方が嫉妬しちゃうくらい可愛い女ですよ、天使みたいな」


俺は、凍るような視線を送る


「ちょ、…良い男かと思ったら、ただの馬鹿な男ね!ガッカリだわっ!」

女は、ピンヒールの音をカツカツ鳴らしながら、早足で去っていった。



何、ムキになってんだ俺…。


でも、未来のことになると、頭が冷静でいられないんだよな

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