溺愛とはなんでしょう?
先輩……!?
目の前に急に現れて、胸がトクンっと音を立てる。
あまりにも驚いて、ベンチから立ち上がるけど……身体も口も動かない。
けど、目が合って間もなくギュッと先輩の大きな身体に包み込まれた。
先輩の体温が暖かい……。
これは、現実なの?
次第に抱きしめが強くなるけど、凄く心地よくて何も言えない。
もう、ずっとこのままでいいや……
嬉しくて、身体から自然に涙が出て頬を伝う。
冷静に考えると先輩なんて、来るわけないじゃんか……。やっぱり、これは夢……?
「先輩……本物なんですか?」
少し腕が緩んだ隙に私から離れると、先輩の顔を覗き込む。