溺愛とはなんでしょう?

ガチャ

屋上の重いドアが閉まると、私は、先輩への謝罪の言葉を口にした。


「腕、強引に引張ちゃって、すみませんでした。………わっ!」


掴んでいた先輩の腕を離すと、
後ろに階段がある事を忘れたまま後退りし、私は、右足を滑らせる。


うそ……っ、落ちるっ!!


とっさに、目をギュッと閉じた私の身体を先輩の長い手が抱え込んだ。


「あっぶな…、気をつけて」


「わ……っす、すみません…。」


私は、先輩の胸の中で頭を抱えられたまま、謝った。


なんか、先輩って…凄く良い匂いがするなぁ

その特別な匂いが、私の頭の中を真っ白にしていく。


先輩は、ぼーっとしている私の顔に近づくと、コツンと私の額に自分の額を合わせた


え…先輩…?




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