溺愛とはなんでしょう?
「へ?だれそれ?」
「え、なに?」
「どーゆーこと!?先輩って、彼女いないんじゃないの!?」
「冗談じゃない?ほら、今まで先輩が付き合ってる人がいるなんて、聞いたことがないし!」
俺は、騒がしい廊下を無言で通り抜け、職員室へと入る。
案の定、担任に授業に出るように催促されると、俺は、重い足取りで教室へと向かった。
この教室へ向かう、たった5分だって無意識に未来のことを思い出す。
はぁ…俺、まじで頭冷やした方がいいかもな。
窓越しにザーザーと煩く振り続ける雨を横目に考える。
そして俺は、学校に人影が無くなると…何も考えず、ただ未来を忘れるために
傘もささず外のベンチに腰掛けた。