初めて好きになったのは先生でした。
新学期



先生、あなたは私と出会った記憶、一緒に過ごした時間、覚えていますか...??
先生とこんな時間を過ごすなんて思ってもみなかったです...笑っ


春...毎年この新しい季節を迎えているはずなのに慣れない。

さくらを見上げながら昇降口を歩いていく。

胸の辺りがキュンとする、なんだか爽やかな気持ちのはずなのにそわそわしてしまう緊張感。
軽いんだか重いんだか分からない足取りで歩いていく。

歩いていると、珍しく私の横を自転車がが通りすぎていく。

というのも、私はいつもみんながほとんど登校していない早い時間にゆっくり登校するのが好き。
だからなぜ??この時間にいるとは。

『おはよう』

『...おはようございます。』

見たこともない若い男の人??

挨拶だけ交わしたけれど、多分新任の先生かな??と思いながら昇降口に向かって足を進めた。


初めまして!!春から中学校3年生になります“菊池 円”きくち まどかです。

どんな中学生かって??ん~一言で言えば...普通。

あだ名は《円》と書くので《まる》とか《えんちゃん》が多いかな??

部活は剣道部をやっていて、一応部長!!って言っても、他の学年は人数がたくさんいるのに、3年生は私だけなので自動的に部長です笑っ

成績は良くもなく、悪くもなくど真ん中...

女子も中心となる女の子達でもなく、地味に影にいる方でもなく、どちらにも属さない真ん中の方ですかね。

好きな人はって..?いないんですよね汗
まぁ3年まできていないんだから変わらないでしょうね~
まぁ、こんな感じの私です。


新学期を迎えるにあたってクラス替えが発表される。
昇降口にはずらりとならんだ名前。


『まる~おはよう、また同じクラスだわ』と声をかけてくれた友達。

小学校は違かったけれど、中学から仲良くなった親友“奥 麗実” おく れいみ。いつも『奥』って呼んでます。

テニス部で小学校の時にはバスケもやっていたと言うスポーツ万能タイプ。

頭も良くって、英語が好きらしい。

いつも元気で誰からも好かれるような子かな?

『奥、おはよ~今日は珍しく早いね笑っ』

『今日はクラス替えの発表があるし、人ばっかりで見られないのも嫌だしね~そしたらとりあえず教室いこ~』


3年生は3階。
この階段が辛いんだよね(。>д<)

3年2組と書かれたプレートを確認してから席に向かう。

奥と菊地は名前の順では離れているけれど、偶然にも隣の席に!!

『これで分からないときには奥に教えてもらえるね笑っ』

『まぁたそうやって勉強を楽しようとしてるんでしょ。完全に悪意があるよね』

『今までもそうやって来たんだから問題ないでしょ笑っ』

『まぁね笑っ』


そんな会話をしているとあっという間に教室が賑わってきてみんな揃ったようだ。

3年と言うこともあってみんな顔見知り。

あとは担任を待つのみ。

ガラー...

予想はしていたけれど、学年は3組しかない。

去年の2年2組の時と同じ大野壬子先生《おおのじんこせんせい》だった。

通称『おのじん』

みんなから『やっぱりおのじんだと思ってたょ』という声。

『やっぱりってないでしょ笑っ。今から始業式が始まるので、男女別で名前の順に廊下に並んでね~』

『は~い』


みんな廊下に並び体育館に向かう。

すでに体育館には1.2年生は揃っており、3年生が揃えばできる状態になっていた。


始業式が始まり、校長先生の長~い話が終わり、新任の先生の紹介が始まった。

今回は臨時の先生もいるらしく、全部で5人ほどいた。

この中でも女子のみんなが《あの先生かっこよくない?》《あの先生臨時だから教えてもらえない感じなのかな?》と噂している。

そしていよいよ噂をされている先生の挨拶が始まった。

『今日から黒磯北中学校に赴任することになりました、森田光一(もりたこういち)です。臨時で赴任することになりましたので、1年しか携わらないかと思います。担当は1年1組の副担任と社会で3年生を担当させていただきたいと思うので宜しくお願いします。』

みんながやったーっというガッツポーズをしている中...

《今日朝から挨拶したのはやっぱり先生だったのか~若いからってみんなはしゃいでるけど、そんな好きになるとかあり得ないだろうしね~》と考え込んでいた。

その後、担任紹介などが終わり、教室にみんな戻ってきた。


席についたところで、おのじんが用紙を配り始めた。

《3年始まってまずこれを今週中までに書いてほしいんだけど進路希望調査です。親御さんと相談して書いてきてね。2枚目の紙は選択授業の希望用紙なので、今書いて提出してください。それが終わった人から今日は帰って大丈夫です。》

みんなさすがに3年生になっているので、高校はだいたい決まっている。

ただ選択授業があるのは知らなかったのでみんな考え込んでいた。

隣の奥に向かって
『どうする?』と声をかける。

『私はどれも平均的だから逆に苦手な現代社会でも選ぼうかな~まるは??』

『私は逆に社会が得意だし、奥がいるならそれにする!!』

二人で確認した上で現代社会にすることにした。

提出して帰りたい気持ちは山々なんだけれども、お互い部活をしている。

それぞれの部活に向かうためそこで別れた。



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