初めて好きになったのは先生でした。
私は部長ということもあるので、部室の鍵を先生のところまで取りに行き、戻さなくてはならない。

コンコン
『失礼します』

剣道部顧問の國井先生(くにいせんせい)の席まで向かうとまだホームルームをしているのかいない様子。
どうしようかと困っていると、隣の席なのかあの朝挨拶を交わした臨時の森田先生が話しかけてきた。

『どうしたの?國井先生ならまだホームルームっぽいけど...』

『剣道部の部室の鍵をいただきにきたんですけど...困っちゃいましたね汗』

『もうすぐ、國井先生も来るだろうしそこのソファーに座って待ってたら??』

『あっ...わかりました。すみません。』

『そんな挙動不審にならなくても良いのに笑っ そういえば朝キミと挨拶したの覚えてる?? あっ!!俺のこと始業式始業式で見たからわかってるよね??キミは??』

『別に挙動不審じゃないですよ。朝挨拶したのはもちろん覚えてますょ!!森田先生ですよね?女子がみんなかっこいいって言ってましたょ。私は3年の菊池円です。』

『怒っちゃった??ごめんね... ちゃんと分かってたのか~ そんな事言ってたの?!皆ってことは円も思ってるってこと??』

『怒ってませんから大丈夫です。いきなり呼び捨てですか?!私は先生は先生で普通でしか見えないですけどね。』

『先月大学卒業したばっかりで、先生になってから初め先生って呼んでくれたから特別な感じになっちゃった笑っ みんなと同じようにかっこいいなんて思ってくれてるのかと思った笑っ』

『そういう呼び方勘違いされそうで怖いですね。まぁ、みんななんとも思わないからなんでも良いですけど。誰でもかっこいいと思ってたら大間違いですからね。』

『あんまり特別に呼ぶとみんな勘違いするか...』
そのあと続けて森田先生が何か言いかけたとき遠くから急ぎぎみで國井先生がやって来た。

『すまんすまん。今年は担任になっちゃったからもしあれだったらいつも引き出しの一番上に入ってるから、誰か先生に持っていきますって伝えて、勝手に持ってっちゃって』

『わかりました。担任大変そうですね汗』

『大変でもちゃんと部活は一緒にやりたいから行くからみんなを宜しくな』

『ありがとうございます。それじゃぁ鍵持っていきますね。』

國井先生と森田先生にお辞儀をして職員室を後にした。


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