私の失恋の行き着く先は…No.6
トボトボと歩きながら、ぼんやりとウィンドウショッピングをする。
たくさんの人たちが行き交う街中。
横断歩道の信号が赤になり、足を止める。
ふと歩道橋から降りてくる二人が視界に入った。
信号を挟んでちょうど私の真正面に立ち止まる。
少し距離はあるけれど、視力のいい私にはしっかりと顔が判別出来た。
あっ、と声が出そうになったけれど、咄嗟に片手で口を覆った。
会いたくて堪らなかった人がそこにいる。
向こうも私に気づいたようだ。
彼の表情が歪む。
彼の隣には、おそらく私より年上であろう綺麗な女の人が、彼と手を繋いで楽しそうに笑っている。
周りからよく鈍いと言われる私でさえ、この状況がなにを物語っているのかくらいは理解した。