私の失恋の行き着く先は…No.6
出張中だから電話に出ない可能性だってあったけれど、3コールで繋がった。
『もしもし?麻田、大丈夫か?』
「緑川主任、差し入れありがとうございました。先ほど貴子先輩が持って来てくださいました」
『今大阪で身動き取れないから代わりにお願いしたんだ』
「なにかあったんですか?」
『大阪支社でトラブってて、戻りは多分月曜の午後になると思う…っていうか、酷い鼻声だな?』
さっき、ひとしきり泣いたせいだ。
つい鼻水をズズズッとすすってしまった。
「熱も咳も大丈夫なんですけど、ね…」
『だいぶ酷い風邪だな。ゆっくり休め。じゃあな』
「あの!ありがとうございました!」
『土産、楽しみにしてろよ。じゃあな』