私の失恋の行き着く先は…No.6
「でも、この前会社出たところで電話してるのが聞こえたんだけど、おそらくあれは男だな」
「やっぱり彼氏持ちか~」
「ただ、すげぇ悲しそうな顔してたのが印象に残ってるな~。あの様子じゃ上手くいってなさそうだな~」
「社会人に成り立ての頃っていろいろあったな~」
「おっ!経験者っぽい発言だな!」
彼らの話題は若かりし頃の恋愛話に変わった。
コーヒー片手に自分のデスクに戻る。
山積みの書類やファイルは今にも崩れそうだ。
仕事に煮詰まって休憩室に向かったのに、更に気分が滅入った気がする。
麻田に彼氏がいることは知っている。
デートは当日ドタキャンされ、上手くいっていないことも知っている。