私の失恋の行き着く先は…No.6
その度に酷く辛そうな表情をしながら、懸命に仕事をする姿を見て、なんとかしてやりたいと思いながら、なにも出来ない自分に不甲斐なさや苛立ちを感じていた。
「どうするかな?」
つい独り言を呟いた。
財務部で残業しているのは自分だけで、気が緩んでいた。
「なにをどうするって?」
突然聞こえてきた声がするほうを見ると、そこには腕組した課長が立っていた。
「課長!帰られたんじゃなかったんですか?」
「専務に捕まってた」
課長は疲れきった表情で、近くの椅子にドカッと座った。
「それはお疲れ様ですというか、御愁傷様です」
「あの人はなんで他人の色恋沙汰に絡んでくるのかな?」
「専務の趣味じゃないですか?」