私の失恋の行き着く先は…No.6
緑川大翔(みどりかわ ひろと)26歳。
外資系企業の財務部主任。
仕事中は眼鏡をかけていて、キリッと真面目に働いているものだから、上司からのウケはいいし、部下からも慕われている。
確かに仕事は出来る私の上司。
けれど、休憩時間やちょっとした空いた時間に、こうして私はからかわれる。
しかも、変なあだ名まで付けられてしまっている。
「豆田は豆田だろう」
「なんでですか?」
「豆みたいに小さい」
「この歳で背は伸びません!」
どうせ私は背が低いですよ!
今さらどうにも出来ないし!
怒りマックスだけど、相手が上司だけに強くは言えない。
緑川主任はひとしきり笑うと、手をヒラヒラさせながら自分のデスクに戻っていった。