私の失恋の行き着く先は…No.6
ランチから戻ると、フロアに緑川主任の姿があった。
「緑川主任、お疲れ様です。あの、差し入れ、ありがとうございました」
「豆田、ほら、土産だ」
「豆田じゃなくて麻田です!あれ、これって、大阪にしかないチーズケーキ専門のお店…」
緑川主任から手渡された紙袋のロゴを見て、一気にテンションが上がった。
大阪に行かないと手に入らない、チーズケーキ専門の有名なお店なのだから。
「大阪にいる同期に教えてもらった。甘いもの好きだろ?」
「チーズケーキ、大好物です!ありがとうございます!」
「風邪は大丈夫そうだな」
その言葉にハッと我に返った。
チーズケーキに浮かれている場合ではない。
「緑川主任、ご心配おかけして申し訳ありませんでした」
「元気になって良かった」
俯いた私の頭を、緑川主任はポンポンと撫でた。