私の失恋の行き着く先は…No.6
なんと、同じ図書館に通っていたことが判明した。
私は午前に、緑川主任は午後に。
時間帯が違ったので、今まで会うことはなかったようだ。
『すごい偶然ですね!』
『だな。豆田って本好きなのか?』
『豆田じゃなくて麻田ですってば!私は資格の勉強する為に図書館に行ってるんです』
少しでも仕事の役に立てばと、いくつか資格の勉強を始めたところだった。
家だとどうしても気が散ってしまい集中力に欠けるので、図書館を利用することにした。
『財務関係の資格か?それなら昔取ったから教えてやれるけど』
有り難い言葉に即座に頷きそうになったけれど、よくよく考えてみれば、緑川主任の貴重な休日を私の為に潰してしまうということだ。