私の失恋の行き着く先は…No.6
『でも、せっかくの休日なのに、申し訳ないですから…』
『だったら交換条件出すけど』
『交換条件?』
『俺は勉強を教える。交換条件として豆田は俺に飯作ってくれ』
『へ?』
私が緑川主任にご飯作るってこと?
なぜに?
頭の中がハテナマークでいっぱいだ。
『料理苦手なんだよ』
緑川主任はポツリと呟いて顔を背けた。
なんでも器用にこなす人かと思っていたけれど、まさか料理が苦手とは意外すぎる。
『因みにいつも何を食べてるんですか?』
『コンビニ弁当かカップ麺。あとは外食』
『なるほど』
全く自炊しない人なんだと悟った。
緑川主任の大きな身体を支えているのが、そんな酷い食生活だったとは驚きだ。