私の失恋の行き着く先は…No.6


「夏帆子、また緑川くんにからかわれたの?」

「うぅ~、貴子先輩~」

緑川主任に散々からかわれてへこむ私を慰めてくれる貴子先輩。

これがいつものパターンなのだ。

「一日早いけど、これ、誕生日プレゼント。私は明日休みだから今日渡しとくわ。食べて元気出しなさい」

「ありがとうございます!」

紙袋にはクッキー専門店の刻印が入っている。

私のお気に入りのお店だから、一気にテンションが上がる。

「じゃあ、私は子どもを迎えに行ってくるわ。夏帆子も気をつけて帰ってね。お疲れ様~」

貴子先輩は颯爽とフロアを出ていった。

女子力の高い貴子先輩は2年前に結婚して一児のママさんでもある。

私の尊敬する先輩である。





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