私の失恋の行き着く先は…No.6


そうして緑川主任に勉強を教えてもらうかわりに、私はキッチンを借りて料理を作っている。

決して料理上手ではないけれど、最低限のものは作れる。

今週末は何を作ろうかと考えていると、緑川主任の顔が目の前にあって驚いた。

「な、なんですか?」

「だから、クリスマスの話だよ」

「クリスマス?」

「料理の礼に、そこのホテルのクリスマスディナー」

「礼って、私は勉強教えてもらってるんですから、そんなこと…」

会社近くの高級ホテルのクリスマスディナーって、相当お高いはず。

「一度は食べてみたいって目をキラッキラさせながら豪語してたのは、どこのどいつだよ」

「私、です…」

確かにこの前、緑川主任とそんな話をした覚えがある。

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