私の失恋の行き着く先は…No.6
私が資格を取れば、交換条件は終わりを告げる。
ただそれだけの関係なのだ。
「夏帆子が緑川くんにご飯作るようになったのって最近の話よね?」
「はい」
「あそこのホテルのクリスマスディナー、半年前くらいには予約で埋まっちゃうのよ」
「うわ~。やっぱりすごい人気高いんですね」
クリスマスの時期はどこもかしこも人で賑わう。
年末の忘年会や送別会も重なるだろうし。
特にあそこの高級ホテルは人気が高い。
クリスマスともなれば尚更だろう。
ひとり納得していると、貴子先輩は盛大な溜め息をついた。
「夏帆子、鈍すぎ」
「なにか言いました?」
「なんでもないわよ。私たちも行きましょうか」
「はい」
トレイを片付けて、午後の仕事に戻った。