私の失恋の行き着く先は…No.6
「ちょっと早いけど、上に上がろうか」
ハッと顔を上げると、目の前に手を差し出された。
「緑川主任?」
「お嬢様、お手をどうぞ」
意味がわからず、とりあえず言われるがままにゆっくり手を差し出すと、優しく掴まれた。
手を繋がれた状態でエレベーターに向かう。
上階のフレンチレストランに入ると、ほとんどの席は埋まっていて、これまたキラキラした光景が広がっていた。
店内の真ん中に大きなクリスマスツリーが飾られている。
窓の外には夜景がキラキラと輝いている。
案内された席はボックス席になっていて、周りからは見えない作りになっていた。
これなら周りを気にすることなく、ゆっくり料理を楽しめそうだ。