私の失恋の行き着く先は…No.6
ちょうどそこへ前菜が運ばれてきて助かった。
次から次へと運ばれてくる美味しい料理の数々に、いつの間にか緊張は解けて頬は緩みっぱなし。
少しだけ口にしたワインも美味しくて、私の顔はほんのり赤くなっているに違いない。
緑川主任はお酒に強くて顔色ひとつ変わっていない。
それどころか、場所が場所だけに一段とかっこよさが増している気がする。
眼鏡を掛けていない緑川主任から大人の男の人の色気が感じられる。
最高のクリスマスディナーを堪能して、後はデザートと食後の飲み物だけになった。
「デザートをお持ちします。お客様、よろしければ中央のクリスマスツリーにご注目ください」
ウェイターさんに促されてボックス席から顔を覗かせた次の瞬間、店内が真っ暗になった。
すると、クリスマスツリーが点灯しててっぺんの星がキラキラと輝いている。