私の失恋の行き着く先は…No.6


「逆になんで気づかないのか、そっちが不思議よ」

貴子先輩は呆れながらいろいろと説明してくれた。

真面目な緑川主任が誰かをからかうことはこれまでなかったらしい。

お土産を含めてなにかをあげることもなかったらしい。

時折私を見つめていたらしいけれど、当の本人はその視線に全く気づかず。

極めつけはクリスマスディナー。

半年前には予約で埋まってしまうのだから、最近始まったばかりの交換条件、つまり私の手料理のお礼としては成立しないということだ。

「本当に、私って鈍感ですね…」

「クリスマスディナーに誘われた時点で気づきなさいよ。それで、クリスマスは楽しめたのかしら?」

「はい…」

顔を真っ赤にさせて俯いた私を見て、貴子先輩は察知したらしい。



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