私の失恋の行き着く先は…No.6


とてもそんなふうには見えない。

私から見れば、緑川主任は常に堂々としているし、自信に溢れた雰囲気を醸し出している。

「俺はロボットじゃないからな。よしっ!いっちょ頑張って来ますか!」

緑川主任はニヤリと笑い、すぐにキリッと真面目な表情になった。

仕事が出来る人だというのは十分知っている。

口先だけじゃないということも。

銀行との打ち合わせが終わり、緑川主任と並んで帰路に着く。

「疲れたな」

ポツリと呟く緑川主任の顔を見れば、疲労感というよりは充実感でいっぱいの様子。

「お疲れ様でした。主任、さすがでしたね。いい勉強をさせてもらいました」



< 8 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop