それはきっと、雨のせい
私にそんなこと言うけどね、空もだよ…




「空だって、笑えてない…。」



私が言うと、また、悲しそうに笑いながら言った。




「俺ね、奈那が誰と遊ぼうが、誰と浮気しようが、なんかもうどうでも良くなった…。」


「前はすげー嫉妬してたけど、言っても辞めないならもういいかなって。」


「奈那がそれで幸せなら、それでいいかなって… 」




違う…




それだと君は幸せになれないよ…?




私を見た空は「よいしょ」って言って起き上がり、私を抱きしめてくれた。




強く、苦しいくらいに。




「…なんで葵が泣くんだよ…。」




< 15 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop